輸入業務部は、丸紅および丸紅グループ事業会社が行う輸入手配業務を担当しています。
輸入手配業務は、納税業務ならびに各貨物特有の規制が常に関連しており、貿易コンプライアンスの緻密な実践が求められる業務です。
当部では、丸紅およびグループ事業会社が行う輸入業務を長年にわたり引き受けてきた経験を活かし、輸入業務の一連の流れを時系列的に輸入申告前、申告時、申告後の3段階に分け、各々をシステム化、営業システムや行政システムと連携させることで、正確で効率的な業務を提供しています。輸入業務は、貨物が日本に到着する前の準備、いわば事前の段取りで実務の円滑性が決定付けられます。輸入現場との綿密な打ち合わせと相互の認識確認、そして現場への正確な指示を一つ一つ確実に進めます。輸入許可後についても、間違いのない納税、法令遵守の確認などのため許可内容の確認業務は欠かせません。当部では申告ごとの確認はもちろん、税番確認、納税額確認などは申告貨物ごとに行い、申告の正確性を追求しています。
適正な輸入通関には、「税番分類」、「関税評価」、「原産地」の3つが重要なポイントとなります。
「税番分類」については、その決定により関税率のみならず関係法令にも影響を与える極めて重要な項目です。輸入する商品の性質・素材・製法などの詳細も理解している必要があります。「関税評価」についても、輸入する貨物の課税標準を定めるために必要不可欠なものであり、売り手や買い手との契約内容全体の理解が欠かせません。「原産地」については、特に近年世界の貿易制度がFTA・EPA体制となる傾向を強めており、対象となる貨物がその国や地域の原産貨物であることの証明が極めて重要となってきています。各FTA・EPAは、独自の原産地ルールを制定し域内貿易を進めていますので、当部では、貿易機関や行政からの適時の情報入手に努めるとともに各EPA/FTAの原産地規則を丹念に調査し、実践的対応にまで落とし込むよう対応しています。この分野の今後の重要性も考慮しプロフェッショナルな人材の育成に力を注いでいます。
近年の税関行政は、輸出入者を優良な者とそうでない者に峻別することで、濃淡管理を具体化しています。丸紅では、輸入手続きの業務フローに当社の機能がビルトインされており、税関より、自らが申告上の誤りを認識でき、かつ誤ったことを自発的に行政に申し出て修正できる仕組みが機能していると認められ、その結果、丸紅は優良輸入者の証であるAEO(Authorized Economic Operator)として承認されています。AEOに承認されることによって、申告許可が一般輸入者と比較して迅速に行われ、また煩雑な行政手続きを省略できるなど、コンプライアンスが円滑な企業活動に繋がっています。
輸入業務部では、多数の通関士資格取得者を有しており、最新の貿易ルールの会得、日々の実務を通じて得る知識や蓄積された経験を踏まえ、適正で確実かつ迅速なサービスを丸紅および丸紅グループ事業会社の皆さまに提供することによって、信頼されるパートナーとして、輸入業務のコンプライアンス向上に努めるとともにグループの貿易取引拡大に貢献してまいります。